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「よりそう」の文字に並べられた紙灯籠(とうろう)を見つめる人たち=2025年1月16日午後5時56分、神戸市中央区、杜宇萱撮影
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 死者6434人、住宅の全半壊約25万棟に及んだ阪神・淡路大震災から17日で30年を迎えた。被災地では発生時刻の午前5時46分に合わせ、神戸市中央区の東遊園地で「1・17のつどい」が行われるのをはじめ、各地で追悼行事が開かれる。天皇、皇后両陛下は即位後初めて、兵庫県主催の追悼式典に出席する。

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 県内では復興をめざし、土地区画整理事業が5市20地区、市街地再開発事業が3市6地区で行われた。このうち、神戸市長田区の新長田駅南の再開発事業が昨年11月に完了したことで、すべての事業が終わった。

 神戸市は、この事業で300億円超の赤字を背負うことになったうえ、地区の人口は増えたものの元の住民の多くは戻れず、復興事業のあり方が問われた。

 兵庫県の震災関連の借金(県債)残高は、2024年度末時点で1478億円になる見込み。返済を終えるのは37年度ごろになる計画で、震災による財政面での影響はまだ続いている。

 震災後も東日本大震災や熊本地震など大災害が相次ぎ、昨年1月には能登半島地震が発生。避難所で被災者が雑魚寝し、災害関連死が相次ぐなど、支援関係者から「阪神大震災の時と同じ」との声も聞かれた。

 政府は防災体制の向上のため、被災者支援の根拠となる災害救助法や災害対策基本法を改正し、被災地での福祉支援や官民連携を強化する方針を打ち出している。また、26年度中の防災庁の開設に向け準備室を置いた。

 南海トラフ地震や首都直下地震の発生確率が高まっているとされるなか、被害を減らすため、教訓を積み重ね、いかに次の災害の対策に生かすかが課題になっている。

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